□サイクリング オン ザ ワールドパッチベイ 031 2004.3.3

 ストレスのあまり鬱とか自律神経失調を再発するんじゃないかと心配していたが、『こんな猟奇で良いかしら』を読んだらあっさり吹き飛んだよ。世界はオレの大好きなブラックジョークで溢れていて、ブラックジョークというのはソフトな猟奇だってことだ。歌舞伎絵師が新聞イラストレーターに転職してグロテスクな猟奇殺人をカラーで印刷していた瓦版が512本の走査線で動画に変換されて電波でハイビジョンにプラズマディスプレイに進化したと思えば実に判りやすい。9.11テロの最大の悲劇は笑いに昇華できるポインタがどこにもついていなかったということではなかったか。笑いに昇華できなかったものは悪夢として反復してうなされ続けるしかないらしいので。さて今朝電波初空気経由の動画で配信されたブラックジョークは「70歳の入れ墨をしたキレやすい男が『修理したテレビが治っていない』と家電量販店に四輪駆動車で突入。店員を跳ねようとしたあげく車のドアと店のドアの間に店員を挟んでグリグリした挙げ句、自動ドアの梁の部分を車の天井に載っけたまんま家まで運転して帰った」。というもの。1934年生まれで終戦当時11歳だった人が多感な時代を戦後のドサクサにまみれて育ち、いつの時点でか刺青を入れました。そして今でもキレやすいです。というのは日本の状態を端的に表している。世界に冠たる長寿国では、刺青を入れたキレやすい人もまた長生きするということだ。ほかにも悪人や馬鹿や詐欺師や嘘つきやドロボウや強盗犯も長生きするのだろう。
 
 被害者の皆様に於かれましてはお見舞い申し上げます。