テレビっ子の逆襲 001

□「テレビっ子」の逆襲001

小学生の頃は午後4時ともなれば家にいて、海外アニメの再放送を見て国産アニメの再放送を見て、まんがキッドボックスを見終えるとだいたい午後7時。飯食って風呂入ったら8時からテレビ。9時からのドラマも見るとそろそろ親に何か言われるんじゃないかとそわそわしながら10時就寝。

3〜4年になると午後9時からテレビの何曜ロードショーを見るようになったり午後10時から始まる必殺シリーズを見たりするわけだが、午後11時から始まるモンティパイソン日本版はどうしてもこらえきれずに寝てしまったりして。

高学年になると土曜日に父親が遅くまで酒飲んでるのに乗じて午後10時から横溝正史シリーズ(古谷一行主演)を見て、午後11時過ぎから始まる海外刑事ドラマにまで手を出しロックフォードの事件メモやら華麗な探偵ピート&マックやらを見て1時に寝るなんてことまで始める(おかげで日曜午前中のアニメは全部見逃すわけだ)。

平日5〜6時間、土日は7時間くらいテレビばかり見ていた計算になる。一週間のテレビ視聴時間は
40時間弱。1年52週計算で、年間2080時間もテレビを見ていたわけだから、小学校6年間で軽く1万時間を超える。同じ時間ヘリコプターを操縦していればベテラン級だ。
http://www.vegasnavi.com/heliusa/abouus.htm

それなのに。

テレビっ子として過ごして来た私は、どういうわけかオタクの話について行くことができない。それどころか「甘い!」だの「薄い!」だのとののしられる始末である。何故だろう。オタクは受験戦争および詰め込み型教育の結果スキルだけをかすめ取った異端者であり、本戦から逸脱しつつも情報に固執しつづけた結果生み出された情報フリークだからだ(まあひとつの見方としてね)。

右手を振り上げてスタッフクレジットばかりを追いかけ続けるオタクとしてではなく、生活の一部としてテレビを見ていた元テレビっ子としてのテレビ番組史を、テレビっ子のために、テレビっ子として語っていきたいと思う。

テレビっ子の「逆襲」はオタクに対してばかり反撃するものではない、「テレビばかり見てないで勉強しなさい!」と言いながらワイドショーばかり見てくだらん知識を入手している主婦たちに対しても逆襲するだろう。8時だヨ!全員集合を見ると馬鹿になると言っていた嘘つきなオバさんたちにも逆襲することだろう。そして悪徳番組追放の名の下に僕たちの好きな番組を絶滅に追いやったPTAだかなんたらいういい加減な組織の道徳性・精神性に対しても逆襲を図ることだろう。

というようなことでは全然なくて、「逆襲」と書いておくと何となく勢いが出るかなと思ってね。