ライフ・アズ・ア・ドッグ

□サイクリング オン ザ ワールドパッチベイ 007 2004.2.8

犬を連れて散歩に出た。旧大蔵省の官舎が取り壊されて空き地になっている場所まで行くのだ。フェンスではなく木組みの柵があり、有刺鉄線ではなく針金をバッテンに渡しているので、易々と入れる。ここでリード無しで我らが飛龍号を放し飼いにするのである。近所にお住まいの犬も犬愛好家たちと共にやってくる。いわゆる穴場。今日は5歳のラフィー君が居た。まだ5か月の飛龍はしきりに遊んでくれ遊んでくれと飛びかかったりあま噛みしたりするのでうるさがられていた。ヒトの方はと言うと、「ラフィーちゃんのお父さん」「チャイ君のお母さん」「ダルメシアン3姉妹のお母さんとお父さん」として扱われる。人ではなく、犬を媒介にして世界が再編成されるのだ。

さて、犬を散歩させていると、犬好きの人と出会う。「あら〜可愛いわね」と反応する人、実際に撫でてみる人。撫でてみる人は大抵の場合、犬を飼ったことがある人だ。少々噛まれたって「あら〜、まだ小さいから歯がかゆいのね〜」と言って済ませてしまうのだ。声をかけて寄ってくる人は犬好き、無反応の人はきっと動物を飼ったことがない人。そんな風にして僕の回りの風景が犬のあるなしで切り替わるのは面白い。分節化と言っても良いのだが、まあそんなことはどうでも良いでしょう。

僕が連れている犬を注視する人がいると、この人はどうかな〜とリードをそっちに持っていって打診してみる。触りたい人は犬が近づくとすぐにしゃがむので判別できるのだった。そう、犬を知る人は高い所から対処されるのを犬が嫌うことを知っているのだ。

歩いていたら犬をじーっと注視しているタイ人風の人がいたので、飛龍を近づけてみた。
その人は壁にべったり張り付いて「ヤメロー!」と叫んだのだった。

犬嫌いな人も犬を凝視するので、注意が必要だ。


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■ 浅野正蔵サバ長 ■
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